牛の休息行動とストール設計について

牛のストール上での休息行動(寝る・立ち上がる・立ち留まる)はストールの構造に大きく影響を受けます。牛の体に対してストールの設計が大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、寝起きが悪くなったり、乳房炎や蹄病のリスクも高まってしまいます。今回は、ストールのサイズが牛の体に合っていなかった場合、具体的にどのようなリスクにつながるのかを簡単に説明します。

ストールが小さ過ぎる場合

牛の1回の横臥時間は1~2時間程度で、1日に10回程度、寝起きを繰り返します。牛は立ち上がり始める時、前膝を立てて頭を前方に伸ばし、後ろ足で腰を持ち上げます。この時、頭を出すスペース(ヘッドスペース)が十分に無いと頭出しが制限され、起立が困難になり、場合によっては滑って転び、思わぬ事故を招いてしまいます。

また、フリーストールでしばしばみられるパーチング(後ろ足をストールから下ろして起立している)姿勢は、牛が牛床を狭く感じている証拠であり、これによって後ろ足の蹄が必要以上に汚れ、蹄病のリスクが高まります〈写真①〉。

逆にタイストールでは起立時に前方に出すぎて、飼槽に前足を出してしまうようになります。飼槽は滑りやすいので、これもやはり転倒のリスクにつながります。

 

写真①

ストールが大き過ぎる場合

ストールが長すぎると糞や尿をする際に、尿溝やストール外に排泄されず、ストール上に落ちてしまいます。その上にまた寝ると、尻尾や乳房を直接汚してしまい、乳房炎のリスクが高まってしまいます。

横幅が広すぎても同じです。幅が広いと牛は左右にお尻を向けて起立したり、斜めに寝てしまったりするので〈写真②〉、結局ストール上に排泄してしまい、同じような結果を招いてしまいます。

 

写真②

牛は快適そうですか?

ストールの設計はストールの長さや幅だけでなく、ネックレール、ブリスケットボード、仕切り柵の位置、あるいは敷料などによっても左右されます。

ご自宅の牛群を見て、休息行動に何か違和感を覚えたら、牛の体に適したストール設計になっているか、ぜひ確認してみてください。

 

推奨されるストールの設計

(フリーストール、体重600kg程度の親牛の場合:参考値)

 

ストール設計(参考)

 

 

最終更新日:2019年7月17日