気温によるホルスタイン子牛の維持エネルギー要求量の変化

乳用牛で一般的なホルスタインは寒さに強い生き物です。

成乳牛にとって快適な温度は5~20℃と言われています。

全身の被毛や厚い皮下脂肪、更には第一胃内の微生物が発酵熱を生じているために寒さに強く、氷点下でも平気で過ごすことが可能です。

しかし、ホルスタインにも寒さに弱い時期があります。

それは、生後間もない子牛の時期です。

理由として、毛が短く皮下脂肪が薄いこと、体が小さいために体表面から熱が奪われやすいこと、第一胃がまだ発達していないために微生物による発酵熱が得られないことが挙げられます。

寒冷による子牛への影響

寒さに弱い子牛は寒冷のストレスによって、初乳からの免疫吸収の減少や遅延を引き起こすと言われています。

また、免疫機能の発達が遅れて、感染症にかかるリスクが上昇することなどが知られています。

冬場は子牛が体調を崩してしまうと、命に係わる恐れがあります。

それを回避するために、しっかりとミルクを飲ませて体力を付けさせる必要があります。

では、どれだけの量飲ませる必要があるでしょうか。

気温と維持エネルギー要求量

生後3週間以内の子牛では、気温が20℃を下回ると体温維持のために維持エネルギー要求量は増えると言われています。(表1)

気温が0℃になると20℃のときに比べて、約1,000キロカロリーも多く消費されていることがわかります。

つまり、夏場と同じ量のミルクをやっていると、エネルギー不足になってしまう可能性があります。

また、生後3週間以降の子牛では、成長して第一胃からの発酵熱が発生するために、体温維持のための要求量が増えるのは10℃以下とされています。(表2)

 

(表1)気温低下に伴う維持要求量の変化

(出生~3週齢)

(表2)気温低下に伴う維持要求量の変化

(4週齢~6週齢)

寒い冬を乗りきるために

このように、冬場は成長のためだけでなく気温低下によってより多くのエネルギーが消費されてしまいます。

そのため、防寒対策を行ってエネルギーの消費を抑え、ミルク投与量の増加や脂肪の添加などで摂取エネルギーを増加させる必要があります。

なお、寒さによって子牛の消化機能が低下するため、ただミルクの量を増やすと消化不良による下痢になる可能性があります。

給与回数を増やすなどの工夫も大切です。

最終更新日:2020年6月26日