早期妊娠鑑定について

授精後、妊娠を確認するために妊娠鑑定をするのが一般的です。妊娠鑑定は、超音波診断装置(エコー)を使用すると、授精後30日ごろから行うことができます。当組合では超音波診断装置の導入を充実させ、最先端の技術提供を行う体制を目指しています。今回は、早期に妊娠鑑定をおこなう利点や注意点をまとめてみました。

エコーで見える胎子

当組合では超音波診断装置は獣医師ひとり一台体制です。

早期に妊娠鑑定を行う利点

牛の発情周期は21日です。つまり、妊娠していない場合には授精後21日、42日、63日に発情が回帰することになります。たとえば授精後50日で妊娠鑑定マイナスとなった場合、2回の発情(21日、42日)を見逃してしまっていることになります。

授精後30日で妊娠鑑定をすると、妊娠マイナスとなっても一回の発情見逃しに留まります(図)。最も大きな利点は「妊娠していない牛」を認識したうえで次回(42日)の発情に備えられることです。「妊娠鑑定待ちの牛」を観察するのと「妊娠していないとわかっている牛」の発情を発見するのでは、差が出るのは明らかです。

あくまでも自然発情を見つけるための検査なので、必要以上に薬剤を使わないという利点もあります。

 

 

早期に妊娠鑑定を行う注意点

ただ、早期に妊娠鑑定を行う際、注意する点があります。一つは、早期妊娠鑑定は超音波診断装置を扱う高い技術が必要だということです。よって、獣医師がある程度の技術を積まなければならず、妊娠が確定できない事(妊娠±)もあります。そのような場合でも、「妊娠不明であるかもしれない牛」を認識するという意義は十分あります。

もう一つは、再妊娠鑑定(一般的に授精後50~70日)を行う必要があることです。妊娠初期は、自然流産の危険性があるためです。面倒に思われるかもしれませんが、再妊娠鑑定は、確認作業となるので検査にそれほど時間はかかりません。早期に不受胎の牛を認識すると、発情発見率の向上や、薬剤使用の抑制(自然発情による授精の増加)が期待できます。ぜひ、チャレンジしてみてください。

 

 

最終更新日:2019年7月11日