地方病性牛白血病について

地方病性牛白血病は白血病ウイルスによって引き起こされる感染症です。平成10年に届出伝染病に指定され、その後、発生頭数、感染率は急激に増加しています。

現在、乳牛の4割、肉牛の3割が感染していると推定され、珍しい病気ではなくなってきました。

白血病の発生戸数・頭数の推移

(白血病に対する衛生対策ガイドラインより引用)

発症すると経済的損害が大きい

感染した牛は、DNA内にプロウイルスとして組み込まれるため、生涯ウイルスを保有し続け、70%は症状を出さず、30%は持続性のリンパ球増多症となり、2-5%の牛が悪性Bリンパ腫である地方病性白血病を発症します。白血病を発症すると複数のリンパ節が腫脹し、複数の臓器の機能を障害され、必ず死に至ります。また、症状をださない牛においても免疫が低下し乳房炎に感染しやすくなったり、乳量の低下や繁殖成績が低下し生存期間が短縮することが明らかになっていて、経済的損失は計り知れません。しかし現在、本感染症に対する淘汰補償はなく、廃用基準も複数の症状を満たさなければならないため、淘汰・廃用は生産者の自己負担となってしまい、対応の難しい病気となっています。

感染を予防するには

白血病は主に血液と乳汁を介して感染します。従来から、血液による接触感染の原因となる去勢・削蹄・除角の器具の消毒、針や直検手袋の1頭ごとの交換、アブやサシバエなどの吸血昆虫のフライコントロールが提唱されています。乳汁については感染リンパ球を含む感染牛のミルクを与えないこと、初乳はウイルスを不活化するために冷凍、または加熱消毒(56℃30分)したものを与えることが重要です。

感染拡大をふせぐ

白血病の感染を予防する上で、飼養空間を分けることは重要です。しかし、隔離するための施設を確保することはコストがかかり難しい場合もあります。最近遺伝子検査により、白血病感染後、ウイルスを排泄しやすい牛と排泄しにくい牛の遺伝子が一部解明されました。感染してもウイルスを排泄しにくい牛(抵抗牛)を、感染していない牛と感染牛の間に配置することにより、白血病の感染拡大を防ぐことが出来たという報告もあります。

従来の予防対策と遺伝子検査を組み合わせることにより、より効果的に感染拡大の防除対策を打つことが可能になると思います。

 

牛の配置の模式図(牛舎内)

最終更新日:2019年7月19日