哺乳子牛への鶏卵抗体製剤投与について

子牛の下痢

子牛において下痢症は重要な病気です。下痢が長期間続くと体力を消耗し最悪死亡してしまうケースもあります。

子牛の下痢症は消化不良性のものと感染性のものに大きく分けられ、感染性のものにはウイルス性、細菌性、寄生虫性のタイプがあります。

鶏卵抗体って何?

次に鶏卵抗体についてご説明します。鶏卵抗体とはニワトリが作り出す抗体のことです。

ニワトリ自身に病原体をワクチンの様に投与するとニワトリは投与された病原体に対する抗体を作り出します。ニワトリは病原体から我が子であるヒヨコを守るため卵黄の中に抗体を集中させます。(図1)

そのため卵黄成分の中には病原体の抗体が大量に含まれていることになります。この卵黄を乾燥させ粉末化したものを経口的に摂取するとニワトリが生み出した抗体を取り入れることが出来ます。これを受動抗体と呼びます。(図2)

 

図1

図2

 

 

鶏卵抗体の特別なメリット

鶏卵抗体が持つ特別なメリットとしては、ウイルスや寄生虫にも除去効果が確認されていることです。従来、下痢症には抗生物質が使用されています。しかし、抗生物資では細菌に対してのみの効果しかありません。一方、鶏卵抗体は病原体ごとに抗体を生み出してくれるのでウイルス、寄生虫にも対応した抗体を作り出すことができます。

鶏卵抗体の活用方法

近年、この鶏卵抗体を摂取することによって感染の予防ができないか様々な研究が進められています。例えばヒトにおいて胃内のピロリ菌や口腔内の細菌の繁殖を抑えることができないか検証されています。(図3)

 

図3

 

子牛の下痢症に活用

牛においては子牛の下痢に対して飼料添加剤として、商品がすでに販売されています。使用例としましては、毎回哺乳時にミルクに5gほど混ぜて投与し、下痢の症状が出てきた場合は10gに増量し与えると効果的と考えます。

また製品によってペーストタイプで出生後すぐに与えるものもあります。下痢が多発する数日前から投与することが望ましいので、農場ごとで使い分けると良いと思います。

 

 

 

最終更新日:2019年7月22日