乳房炎の話3

今回は、乳頭と敷き料について簡単に説明します。

1.乳頭について

最近はゴム手袋を装着して搾乳をすることが普及しています。搾乳時のゴム手袋について聴いてみると、乳房炎の心配と同時に手荒れが心配で装着するとの答えがあります。
手荒れを防ぐためにゴム手袋をするのなら、乳頭の荒れはどのように防ぐのでしょうか?搾乳時、乳頭を拭くと嫌がる牛の多くは、乳頭皮膚や乳頭口が荒れているため、拭かれる刺激が苦痛なことがあります。
乳頭をきれいに拭かないと乳頭に付着している細菌は乳房内に入り、乳房炎を発症します。
乳頭の汚れが搾乳中の乳房炎を発症すること、乳頭の細菌は牛床の汚れからくる事については、損防室だより1で詳しく説明しました。
乳頭が十分に拭かれていないことはフィルターの汚れや、バルクの細菌培養で、環境性細菌の増加として現れます。
せっかくの搾乳も乳頭を拭くときから、牛も人も大変な思いをします。

a.乳頭の荒れ

乳頭が荒れる要因の1つとして、乳頭清拭用のお湯に入れるサッキンゾールの濃度が濃すぎるの場合があります。
サッキンゾールは適正な希釈濃度と温度にすることで効果的な殺菌ができるのです。サッキンゾールの濃度を濃くすると殺菌力は逆に低下するだけではなく、乳頭や手が荒れる原因になります。
サッキンゾールは適正な希釈濃度で使用しましょう!!

b.乳頭皮膚の保護

荒れた乳頭を正常に回復するには、牛や人の皮膚にやさしい保護成分や保湿成分が含まれた殺菌剤やディッピング剤を使うことです。
ディッピングの目的の1つは、搾乳前後の乳頭の衛生(殺菌)ですが、もう1つの重要な目的は、乳頭皮膚を保護すること、スベスベの状態に保つことなのです。

2.敷き料について

牛床の衛生は常に乾燥状態に保つ事と、敷き料を十分に敷くことです。
これらのことは、牛の安楽性(カウコンフォート)にも必要です。
通常の麦稈の細菌数は462cfu/g、裁断した麦稈では1400cfu/gの細菌数があります。表1
敷き料の細菌数が100万cfu/gになると、乳房炎の発症が急増すると言われています。
下の表2から牛床の前方の敷き料は(見た目はきれいでも)すでに69万の細菌数であり、これを牛床後方に移動することは細菌数の多い敷き量に乳頭を暴露することになります。

ベッドメイクは

①牛床後方の汚れた敷き料だけを廃棄
②牛床後方には新しい敷き料を入れましょう
※決して、牛床前方の敷き料を後方へ移動してはなりません!!

最終更新日:2019年2月5日