2019年7月8日
乳汁にブツを認めて、細菌検査をやったのに菌が出ない…。
乳房炎軟膏による治療を行っても全然良くならない…
こんな牛はいませんか?もしかしたら、それはマイコプラズマ性乳房炎かもしれません。
マイコプラズマとは?
マイコプラズマという微生物は、細菌より小さくウイルスより大きい病原体です。牛では乳房炎の他、肺炎や関節炎の原因になります。
このマイコプラズマ性乳房炎は黄色ブドウ球菌(SA)と同様に伝染性乳房炎です。ただし、マイコプラズマは、他の乳房炎原因菌に比べ伝染力が強いため、迅速な対応が必要となります。
マイコプラズマのコロニー
症状
泌乳量の激減、黄白色透明乳汁、多量のブツ、複数分房の罹患、乳房にひどいしこりがある、細菌検査に出したが陰性と言われる、治療に反応がみられず40度以上の高熱が続く、といった症状が認められます。ただし全くの無症状の牛もいます。
マイコプラズマ性乳房炎による乳汁のブツ
治療
抗生物質による治療も可能ですが、発症牛の多くは治癒困難で、再発しやすく、ほかの牛の感染源ともなるため、状況によりますが淘汰を検討することもあります。
予防と対策
伝染性乳房炎ですので、ミルカー等の搾乳機器や搾乳者の手によって感染が広がります。搾乳衛生の改善や搾乳順序の変更等により、感染を防ぐことができます。また、バルク乳による定期的なスクリーニング検査が有効です。
しかし、マイコプラズマ乳房炎の発見には、農家さんの日常的な牛群の観察が重要です。
上記の症状のような牛が何頭も続く、これまでの乳房炎と何かが違うと感じたら獣医師に相談してください。
マイコプラズマ性乳房炎の牛
最終更新日:2019年7月8日