クリプトについて

Q.下痢をしている子牛を診療してもらったところ、『クリプト』と言われました。クリプトって、なんですか?

A.『クリプト』とは、クリプト・スポリジウムという寄生虫による下痢症のことです。

この寄生虫は環境中に広く分布していて、経口摂取により感染します。
調査(写真①参照)によると、分娩直後の感染も確認されていて、感染から3~6日で発症します。クリプト・スポリジウムの単独感染なら軽症の場合もありますが、ウイルスや細菌との混合感染では重症となり、死に至るケースもあります。
また、牛に感染するクリプト・スポリジウムは人にも感染し下痢等同様の症状を示すので、接触する人も充分に注意しなくてはなりません。
症状は黄色~黄白色の下痢便(時には水のような便・写真②参照)が続いて脱水し、ぐったりして起立不能になることもあります。現在使用を許可されている薬で効果的に効くものは無いため、抗生物質で二次感染を予防し、輸液や経口補液などで水分と栄養を与えながら回復を待つしかありません。下痢は平均して約1~2週間程続きます。脱水やそれによるアシドーシスが改善されなかったり、長期間続く下痢のため低栄養状態に陥ると致死率は高くなります。通常の自家治療を行っても改善されない、ミルクを飲まない、活気が無い、著しく脱水している(目が落ちくぼむ、足の先や体が冷たくなる等)、立てないといった症状の場合は速やかに獣医師に連絡しましょう。
予防については以下の点に注意すると良いでしょう。

  1. 確実に初乳を給与する。(混合感染を避ける)
  2. 病原体との接触を断つ。(カーフハッチ等)
  3. 乾燥した暖かい環境をつくる。(体力の消耗を避ける)

またクリプト・スポリジウムは熱に弱いので、生石灰乳剤や熱湯による消毒(75℃以上で1分間)も効果的です。

 

最終更新日:2019年2月5日