畑作物共済

1.補償対象作物の種類

補償対象作物は次のとおりです。ばれいしょ・大豆・いんげん、てん菜、そば、スイートコーンは品種、栽培方法、引受方式等に応じて類区分を設けて加入単位を細分化しています。

共済目的の種類 加入区分 類区分 選択できる引受方式
ばれいしょ 第1区分 1類 でん粉加工用 全相殺方式
2類 食品加工用
3類 種子用
4類 食用
第2区分 9類 春期に播種するばれいしょ 地域インデックス方式
大豆 第1区分 1類 乾燥子実で黒大豆以外 全相殺方式、半相殺方式
2類 乾燥子実で丹波黒の黒大豆
3類 乾燥子実で丹波黒以外の黒大豆
4類 えだまめ(食品加工用)
5類 えだまめ(食用)
第2区分 6類 乾燥子実で田で耕作する大豆 地域インデックス方式
7類 乾燥子実で畑で耕作する大豆
8類 未成熟子実の大豆
小豆 全相殺方式、半相殺方式、地域インデックス方式
いんげん 第1区分 1類 手亡(てぼう) 全相殺方式、半相殺方式
2類 金時(きんとき)、うずら
3類 大福(おおふく)、虎豆(とらまめ)
4類 べにばないんげん(花豆)
第2区分 5類 地域インデックス方式
てん菜 第1区分 1類 全相殺方式
第2区分 2類 田で耕作するてん菜 地域インデックス方式
3類 畑で耕作するてん菜
そば 第1区分 1類 夏そば 全相殺方式
第2区分 3類 田で耕作するそば 地域インデックス方式
4類 畑で耕作するそば
スイートコーン 第1区分 1類 食品加工用 全相殺方式
2類 食用
<第2区分 3類 地域インデックス方式
たまねぎ 全相殺方式、地域インデックス方式
かぼちゃ <— 全相殺方式、地域インデックス方式

※ばれいしょ(種子用)は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構種苗管理センター産の原原種を使用して原種ほにおいて栽培されるばれいしょ又は植物防疫法(昭和25年法律第151号)第13条の規定に基づく検査に合格した原種ほ産の原種を使用して採取ほにおいて栽培されるばれいしょです。

【一括加入対象作物】

ばれいしょ、大豆、小豆、いんげん、てん菜の5作物には一括加入区分が設けられており、加入時は5作物のうち農業者が栽培する全ての作物について加入申込みが必要です。

2.引受(加入)方式

引受(加入)方式には、次の種類があります。補償割合は、補償対象作物(類区分)ごとに農業者が任意に選択できます。

補償対象作物 補償割合 補償内容
全相殺方式 ばれいしょ、大豆、てん菜 90%
80%
70%
農業者ごとに、農家の減収量の合計が基準収穫量※の10~30%(農業者が選択した補償割合に応じた割合)を上回った場合に、共済金をお支払いします。
小豆、いんげん、そば、スイートコーン、たまねぎ、かぼちゃ 80%
70%
60%
農業者ごとに、農家の減収量の合計が基準収穫量※の20~40%(農業者が選択した補償割合に応じた割合)を上回った場合に、共済金をお支払いします。
半相殺方式 大豆 80%
70%
60%
農業者ごとに、耕地ごと減収量の合計が基準収穫量※の20~40%(農業者が選択した補償割合に応じた割合)を上回った場合に、共済金をお支払いします。
小豆、いんげん 70%
60%
50%
農業者ごとに、耕地ごと減収量の合計が基準収穫量※の30~50%(農業者が選択した補償割合に応じた割合)を上回った場合に、共済金をお支払いします。
地域インデックス方式 ホップを除く全作物 90%
80%
70%
共済事故の発生が認められる農業者ごとに、統計データの収穫量が基準収穫量※の90~70%(農業者が選択した補償割合)を下回った場合に、共済金をお支払いします。

※基準収穫量とは、いわゆる平年収量のことです。

※全相殺・半相殺方式の基準収穫量は、組合が農業者ごとの収穫量(実績)をもとに算定します。

※地域インデックス方式の基準収穫量は、都道府県(市町村)別に公表される統計データの収穫量をもとに算定します。《市町村単位:ばれいしょ・大豆(乾燥子実)・てん菜・そば・たまねぎ(指定産地のみ)、北海道一本:その他作物・たまねぎ(指定産地以外)》

3.加入申込と共済関係(契約)の成立

(1)加入申込みと共済関係(契約)の成立

畑作物共済は、補償対象作物(ばれいしょ、大豆、いんげん、てん菜、そば、スイートコーンは類区分)ごとに、30アール以上の面積を耕作する作物について加入できます。加入を希望される場合は、畑作物共済加入申込書に必須事項を記入・押印し、所定の期日までに組合へ提出してください。共済関係(契約)は、組合がこれを承諾することで成立します。

(2)共済掛金の払込み

組合から加入承諾書が届いたら、組合が事業規程で定める月日までに、共済掛金を払込み願います。

なお、正当な理由が無いのに共済掛金の払い込みを遅滞したときは、共済関係(契約)の解除となります。

(3)全相殺方式の加入要件

全相殺方式は、類区分ごとに、次のいずれかの条件を満たす場合のみ加入できます。

ア.JA等の出荷数量により収穫量等の全量が把握できること。

イ.青色申告を実施しており、その関係書類を用いて収穫量等の全量が判明すること。

ウ.小豆・いんげんの全相殺方式に係る「組合員選定基準」を満たす組合員であること。

なお、大豆、小豆、いんげんについては、上記の加入要件を満たさない場合、半相殺方式として加入していただくことになります。

また、ばれいしょについては、上記の加入要件を満たさない場合でも、全相殺方式に加入できますが、損害評価は圃場調査で行います。

全相殺方式への加入時に組合へ提出が必要な書類

出荷団体等が発行する書類を用いる場合 青色申告書関係書類を用いる場合
・出荷先別出荷計画書(加入時)
・出荷数量等実績報告書(収穫後)
・出荷確約書(概ね全量を出荷する確約書)
・閲覧承諾書(出荷量の提示許可)
個人の場合> ①、②いずれか
①農産物受払帳
②販売金額等の品目別内訳書
・所得税青色申告決算書(農業所得用)
・損益計算書(写)
・収入金額の内訳(写)
・所得税の確定申告書(第一表)(写)
法人の場合
・販売金額等の品目別内訳書
・損益計算書
・法人税確定申告書
・別表一(一)(写)
・別表四(写)

(4)畑作物共済に加入することができない場合

以下の要件に該当する場合は加入することができません。

①類区分ごとの栽培面積が30アールに達しない農作物であること。

②共済事故の発生が相当の確実さをもって見通されること。

③基準収穫量の適正な決定が困難であること。

④損害の額の適正かつ円滑な認定が困難であること。

⑤えだまめを除く作物に係る収穫物が未成熟のまま収穫されること。

⑥通常の肥培管理が行われず、若しくは行われないおそれがあること。

 

4.共済関係の解除

次の場合、共済関係が解除される場合がありますのでご留意願います。

① 申込者が故意もしくは重大な過失により事実の告知をせず、又は不実の告知をした場合。

② 共済掛金の払込みを遅延した場合。

③ 共済金の給付を行わせることを目的として損害を生じさせ、又は生じさせようとした場合。

④ 共済金の給付の請求について詐欺を行い、又は行おうとした場合。

⑤ その他、組合の組合員に対する信頼を損ない、当該共済関係の存続を困難とする重大な事由が生じた場合。

なお、共済関係が解除された場合は、組合は解除された時までに発生した共済事故による損害を補填する責任を負いません。

また、既に納入された共済掛金及び賦課金は返還できませんので、留意願います。

ただし、共済関係の成立後に農業経営収入保険に加入するため、共済関係を解除する場合は、納入済の共済掛金及び賦課金は全額を返還します。

 

5.共済事故(共済金の支払対象となる事故)

風水害、干害、冷害、ひょう害、凍霜害、その他気象上の原因(地震、噴火を含む)による災害、火災、病虫害、および鳥獣害です。てん菜については、糖度の低下も対象となります。

なお、減収となった原因が共済事故以外(肥培管理不良、病害虫防除不適切など)による場合は、その減収を共済事故による減収と分けて見積り、共済金の支払対象外とします。

6.共済責任期間(補償期間)

共済責任期間(補償期間)は、発芽期(または移植期)から収穫期までです。

圃場乾燥中(堆積中)のものは共済責任期間内にあるものとして扱います(豆類は、刈倒しの場合は刈倒し後3日程度、シマ立ての場合は4日程度、ニオ積みの場合は14日程度。いんげん3類と4類は根切り後21日程度。そばは刈倒し後14日程度。ばれいしょ1類は堆積14日程度、たまねぎは、コンテナ収納後28日程度)。

収穫物を圃場から搬出すると、損害があっても補償の対象にはなりません。

7.共済金額(契約金額)

共済金額は、共済事故が生じたときに支払う共済金の最高限度額です。

加入者ごと、補償対象作物(類区分)ごと引受方式ごとに、次のように算定します。

共済金額=単位当たり共済金額×基準収穫量×補償割合

単位当たり共済金額は、キログラム当たりの補償単価のことです。ばれいしょ1類、大豆1類、てん菜、そばは行政価格、ホップは協定価格、他の作物は庭先価格をもとに、毎年、農林水産大臣が告示し、加入者が選択します。

てん菜の単位当たり共済金額は、組合が加入者ごとに基準糖度(過去一定年間の平均糖度)を算定し、その糖度に応じて加入者が選択します。

ばれいしょ1類、大豆1類、てん菜、そばの単位当たり共済金額は「交付農業者」「交付農業者以外」で異なります。

8.共済掛金

補償対象作物ごと、次のように算定します。

組合員負担掛金 = 共済金額 × 共済掛金率 - 国庫負担掛金

加入者が負担する共済掛金は、55%を国が助成しています(国庫負担掛金)。

共済掛金率は、基準共済掛金率(農林水産大臣が過去一定年間の被害率を基礎として定める率)を下らない範囲内において、組合が加入者の過去20か年の損害率等をもとに設定します。

また、組合員ごとに適用する危険段階は、直近20年分の損害率に対し、近年ほど重みを持たせて加重平均し、毎年見直します。

9.被害発生時の通知義務

組合では、加入者の被害申告に基づき、損害額の認定に必要な調査をします。

収穫期以前に、補償対象作物に共済金の支払に該当する損害があると認められるときは、直ちに組合へ被害申告(事故発生通知)をお願いします。

収穫期において、共済金の支払に該当する被害があると認められるときは、組合の指定する期日までに被害申告(損害通知)をお願いします。

被害申告を行わず、収穫後に共済金の支払に該当する損害があると判明しても、組合では適切な調査ができないため、共済金をお支払いできませんので、ご留意願います。

なお、ばれいしょ1類(でん粉加工用)、大豆1類(黒大豆以外)、てん菜、そばについては交付農業者として加入した場合、適切な共済金を算定するため、畑作物の直接支払交付金の面積払(営農継続支払)(以下、面積払(営農継続支払))の交付を受けず畑作物の直接支払交付金の数量払(以下、数量払)のみの申請を行ったときには、損害通知に併せてその旨の申告をしてください。申告後、交付金の交付申請内容が変更となったときは、速やかに組合へ修正申告をしてください。

10.共済金の支払額

共済金は、共済事故の発生が認められた場合に、類区分ごと(地域インデックス方式は類区分ごと統計単位地域ごと)に支払開始損害割合(加入者が選択した補償割合に応じた割合)を超える減収となった加入者に対し、次のとおりお支払します。

支払共済金=共済減収量×単位当たり共済金額

共済減収量の算定方法は、引受方式ごと以下①~③のとおりです。

①半相殺方式

被害耕地ごと減収量の合計-基準収穫量×支払開始損害割合【2~5割】

②全相殺方式

加入者の減収量―基準収穫量×支払開始損害割合【1~4割】

③地域インデックス方式

(基準単収-統計単収)×引受面積の合計-基準収穫量×支払開始損害割合【1~3割】

てん菜については、共済減収量を算定するにあたって、糖度が加味されます。また、春先(はるさき)の風害や凍霜害、獣害により再移植(再播種(はしゅ))した場合、その面積が耕地の半分以上または50アール以上のときは、再移植(再播種)に要した費用に相当する金額として、一定の共済金が支払われます。

ばれいしょ及びたまねぎは、損害評価高の決定が収穫年の翌年度となることから、被災された加入者へ早期に共済金をお支払いするため、共済金の仮渡しを行っています。

畑作物の直接支払交付金の交付を受ける加入者は、ばれいしょ1類(でん粉加工用)、大豆1類(黒大豆以外)、てん菜及びそばについて、営農継続支払に相当する額が数量払に相当する額よりも多い場合は、営農継続支払と数量払の差に相当する額を控除するよう減収量を調整して共済金を算定します。

なお、組合の財源によっては、必ずしも決定共済金どおりに支払われない場合があります。

(1)共済金の仮渡しについて

出荷数量等の最終確定(選果終了)が翌年度以降になるばれいしょ、たまねぎについては、12月末に(必要に応じ翌年3月末頃2回に分けて)共済金の仮渡しを実施します。

仮渡しする共済金は、取りまとめ時点で調査した選果済出荷数量等及び未選果出荷数量(全量規格内扱い)から、仮の共済減収量を算定してお支払します。精算払は翌年8月上旬頃に行います。このとき、仮渡し2回目及び精算払い時に支払われる共済金は、それまでに仮渡しされた共済金との差額となりますのでご留意願います。

(2)共済金の削減払いについて

農業共済事業は、行政庁の指導・監督のもと、組合・連合会・国の3段階による責任分担を行って広く危険分散を図るなど、共済金を確実にお支払いできる仕組みとなっていますが、組合の財務状況によっては、お支払いする共済金の額が削減されることがありますので、ご理解願います。

※共済金の削減が認められているのは、組合の責任分担部分のみで、連合会・国には実質的に認められていません。 これは、組合の危険分散機能が小さく、手持財源を超えて共済金を払い続けることで事業不足金が累積し、事業運営の継続が困難となる事態を防ぐために認められている措置ですので、ご理解願います。

また、共済金の削減は、直近年において、加入者(被災農業者)の方々に多額の共済金をお支払することで、組合の手持財源に不足を生じるようになった結果でもあることを、ご理解願います。

なお、やむを得ず共済金の削減を行わざるを得ない場合でも、被災農家の再生産に支障が出るほどの金額ではないと考えられます。

※経営所得安定対策の交付農業者として加入した場合でも、交付金が交付されなかったことが確認され、交付農業者以外であると認められた場合には、引受変更及び(必要に応じて)共済金の一部を返還していただくこととなりますので、ご理解願います。

※経営所得安定対策の交付農業者として加入した場合で数量払のみの交付の申請を行った旨の申告をされたにもかかわらず、面積払(営農継続支払)交付農業者であることが判明し、共済金を過大にお支払していた事実が明らかになった場合は、共済金の一部を返還していただくことや、同様の事例が複数年続いたとき又はその他悪意または重大な過失によって不実の申告をしたと認められるときは、共済金の全部または一部についてお支払いできないことがありますので、ご理解願います。

11.共済金をお支払できない場合

共済責任期間中に発生した共済事故による損害であっても、次のような場合には共済金の全部または一部をお支払いできないことがありますので、ご留意願います。

(1)加入者が通常すべき管理その他損害防止の義務を怠ったとき。

(2)加入者が損害防止のため特に必要な処置について組合のした指示に従わなかったとき。

(3)加入者が異動通知(①共済目的の譲渡、②収穫適期前の刈取り又はすき込み、③共済目的が他の類区分に該当することとなる栽培方法等の変更、)、事故発生通知または損害通知を怠ったとき、または悪意もしくは重大な過失によって不実の通知をしたとき。

(4)加入者が当該申込みの際、当該申込みに係る農作物に関する次に掲げる事実又は事項について、悪意又は重大な過失によってこれを通知せず、又は不実の通知をしたとき(組合がこれを知っていたとき、及び過失によってこれを知らなかったときを除きます。)。

ア.共済目的の種類
イ.耕地の所在地、面積、品種、栽培方法、用途及び収穫時期
ウ.組合が定める作付基準に適合していることを明らかにする事項

(5)出荷数量調査を実施する補償対象作物について加入者が、出荷先の変更を申告しなかった

場合や組合が指定する業者以外に出荷する等により、適正な出荷数量が把握できないとき。

(6)加入者が植物防疫法の規定に違反したとき。

(7)加入者が正当な理由がないのに、共済掛金の払込みを遅滞した場合で、「共済関係の解除」を行っていないとき。

(8)加入者が定められた区分にかかる栽培方法以外のものによって栽培したとき。