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技術情報

2016/09/02

環境性連鎖球菌による乳房炎

◆環境性連鎖球菌による乳房炎は治りにくい

乳房炎による損失は大変大きく、廃棄乳量、治療費、悪化すると食欲低下や繁殖性の低下、時には廃用になってしまいます。

乳房炎の中でよく検出される菌に環境性連鎖球菌(ストレプトコッカス・OS)があります。乳房炎細菌検査の30%以上でOSが検出されています (図1)。「OSの乳房炎は治りづらい、すぐ再発する」など経験があると思います。

連鎖球菌のなかでも、s.Uberis(ウベリス)と呼ばれる種類の菌は乳腺深く侵入するため、黄色ブドウ球菌(SA)などと共に特に直りにくく繰り返しやすいことが知られて、近年問題になっています。当診療所ではOSのうち28%でウベリスが検出されました。また、ウベリスに罹った分房のおよそ4割がその後1年以内に(他の菌での再発も含めて)繰り返すことが分かりました(図2)。

 

◆実際OS乳房炎にかかったら?

OS乳房炎になった場合、2クール以上の長期の乳房炎軟膏の投与が必要といわれております。また、1日乳房炎軟膏注入後、罹患乳房を3日以上搾らない“ショート乾乳治療”と呼ばれる方法も有用であると言われています。ウベリスに対して6割以上の治癒率を示したとの報告もあります。しかし、慢性化して再発を繰り返す場合は盲乳処置や淘汰が必要かもしれません。

 

◆予防が大事!

一旦かかってしまうと治りにくいため、予防が重要です。菌は麦稈(ばっかん)などの敷料中に多く存在し、糞便中にも多く、牛床や牛体、乳房を汚染すると言われています。汚染された乳房、乳頭に菌が付着し、搾乳時にライナースリップ、ドロップレッツなどにより乳頭内に侵入してしまいます(図3)。

環境からの菌の侵入を予防することが重要です。敷料をこまめな交換し、清潔で乾燥した状態に保つことが必要です。環境性の乳房炎ではプレディッピングと乳頭を入念に清拭することで搾乳時に乳頭内に菌が侵入することをある程度防いでくれます。

また、分娩後の発生率が高いため、乾乳中の新規感染を防ぐための乾乳期治療を行うことも重要です。正しい搾乳衛生、きれいな環境を心がけましょう。

 

図1 乳汁検査で検出される菌の割合

図2 一診療所における連鎖球菌性乳房炎の再発率

図3 乳汁中の細菌が乳頭内に進入

 

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