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技術情報

2014/01/01

子牛を生理的貧血から予防

子豚では非常に有名な話ですが、子牛にも生理的貧血があります。元気そうに見える子牛たちにも、実は、結構な頻度で貧血が認められます。特に和牛に多いです。また、人工哺乳よりも自然哺乳の子牛により多くみられます。
貧血は、様々な病気にかかりやすくなる原因になると言われています。ですから、予防することはとても意義があり、増体率の増加も期待できます。
まず貧血になる理由について考えてみましょう。子牛にはもともと貧血になる素因があって、それが起因となる貧血を生理的貧血といいます。生理的貧血の主な理由は以下の3つです。

①胎子ヘモグロビンの存在
ヘモグロビンは赤血球内にあって、酸素の運搬に必要なタンパク質です。胎子ヘモグロビンは母体内にいる間に胎子が作ったものです。生後しばらくは、その胎子ヘモグロビン
と生後作られる通常ヘモグロビンが混在することになりますが、胎子ヘモグロビンの方が壊れやすく、早く消失するために、タイムラグが生じて貧血となります。

②哺乳による急激な血液の希釈

ミルクを飲むことで、吸収された水分により血液が希釈されます。子豚ではこの傾向が顕著で、生理的貧血の主要な理由になっています。

③体重の急激な増加

体が大きくなるのが早すぎて赤血球生産が追いつかない、といった状況です。和牛の子牛に貧血が多いのは、ホルスタインよりも増体率が高いからです。
このような状況に、鉄分不足が加わるとさらに貧血が進行します。哺乳期の子牛では鉄分のほとんどを母牛のミルクに頼っていますが、母牛のミルクにはもともと十分量の鉄分がないそうです。ですから、鉄欠乏状態が続くことになり、もし下痢をすると吸収が低下し、さらに鉄欠乏状態となります。このような状況が続けば、増体率に影響してくることは容易に想像できます。
したがって、生後間もないうちに、鉄分を補ってあげることが重要になってきます。それにより、かなり貧血を予防できます。
その方法にはいろいろあるようですが、注射薬が有効です。

具体的方法は次の通りです。

●生後3日目前後に、デキストラン鉄(アイアン200)を5ml注射します(アイアン100なら10ml )。
●鉄は強力な酸化物質ですので、この時、ビタミンE( ビタミンE注2ml)を同時に投与するよう勧められています。
●さらに、ビタミンAD3E( デュファフラル フォルテ )1mlを同時に打つこともあるようです。
北海道は白筋症好発地帯ですので、ビタミンE単味よりもESE ( ビタミンEとセレンの合剤 )1~2mlの投与の方をお進めします。

この時注意すべきことが2つあります。

①過剰投与しないこと

鉄中毒の症状は重篤ですので、投与量を守りましょう。

②同日投与はしないこと

テトラサイクリン系の抗生物質や、駆虫薬であるイベルメクチンとの同日投与は危険なのでやめましょう。
理由は不明ですが、死亡例もあるようです。病気になって治療している時には投与を控えた方が無難です。予防的投与なので、病気になる前に打っておきましょう。以上、2点を必ず守って下さい。

【まとめ】

貧血を予防することで、より丈夫な子牛に育てることができるかもしれません。
まだ実施していない方は、獣医師にご相談ください。

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