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技術情報

2008/04/13

牛サルモネラ症

牛サルモネラ症

 

今年の夏も大変暑い夏でした。

網走管内、及び当地域においても8月に、牛のサルモネラ症が立て続けに発生しました。

飼槽等で増殖したサルモネラ菌が餌などといっしょに口から入って、下痢を主徴とした届出伝染病です。

     

主な原因菌

 

①サルモネラダブリン

②サルモネラチフィムリウム(子牛の発症が多い)

 

 

感染経路

 

経口感染と言って飼料や飲水といっしょに口から入って感染します。

 

 

症状

 

①下痢便(悪臭、灰黄色の水様性、粘血便)しかし、下痢を示さない場合も有るので注意が必要です。

②呼吸器症状

 

 

感染源

 

①導入牛

②野生動物(ネズミ、野鳥)

③車両や人の靴、衣服等

 

 

特徴

 

①約二千二百もの種類が有ります。人の食中毒の原因

②飼槽、哺乳バケツ、水槽、ウォーターカップ等で増殖しやすい。

③熱や消毒薬には弱いが、自然環境では抵抗性が強く、長期間生存し易い。

④保菌動物(牛、馬、ネズミなど)を作り易い。

 

 

牛舎消毒

 

①飼槽、ウォーターカップ、水槽、哺乳バケツをきれいに保ちましょう。特に飼槽は念入りに清掃しましょう。

②飼槽のタイルがはがれたり、凸凹が認められる時は、早急に修理しましょう。

③定期的に畜舎、カウハッチの清掃、消毒を実施しましょう。(床面や通路の石灰散布、牛舎の石灰乳散布等が有効です。)

 

 

侵入防止

 

糞便中のサルモネラ菌が牛の口に入らないように管理することがポイントです。

①不必要な人・物の出入りを制限しましょう。

②糞便の付着した長靴で飼槽の中に入らない様にしましょう。

③踏み込み消毒槽を設置し立ち入り者はきちんと長靴を消毒しましょう。ビルコンS、石灰などが有効です。

④ネズミや衛生害虫を駆除し野生動物の侵入を防ぎましょう。

 

 

東部診療課近況

 

東部診療課がスタートして半年が過ぎようとしています。

4月に地域の診療所として永年滝上の畜産を支えてきた滝上診療所が廃止されました。それに伴い佐々木、菅野獣医師が、また同時に、興部事業所より橋口、山﨑獣医師が人事異動で赴任しました。

したがって4月からは十名の獣医師で滝上、上渚滑、紋別の3地区を担当することになりました。

新しく赴任した獣医師も、約半年が経過し、それぞれの地域の環境にも慣れこれから新戦力としての期待も高まっています。

ただ、獣医師の場合、次第に慣れてきたとはいえまだ知らない農家もあり夜間当番の携帯電話で呼ばれる時は、やはりドキドキします。生産者も初対面の獣医師に「えっ」と戸惑うことも有ると思いますが携帯電話で連絡をとりながら万が一に備えてください。

日常診療は一ヶ月ごとに担当地区をローテイションしていますが、その日の受付次第では、他の地区に入るケースもありますので、地域によっては日替わりメニューで獣医師が変わるという批判もありましたが、今後ローティションにつきましては、幾分長期的に考えたいと思います。

前期を振り返ると5月の本別町での口蹄疫、8月のサルモネラ症の発生と、伝染病の発生とその対応に追われ続けた半年でした。

その後の発症は今のところ有りませんが、牛舎の入り口に消毒槽を設置するなど自衛手段の意識もかなり高まりました。しかし最近は、汚れたり、色の褪せた消毒槽も散見します。

ヨーネ病も当地域では延べ8戸、BVD(牛の伝染性下痢症)も延べ7戸発生しています。

再度、初心に戻って自衛手段に努めていただくようお願いします。

診療関係では昨年の猛暑で今年は7、8月に分娩がずれ込んだほか熱射病も数頭発生しました。第四胃変位の発症も今のところ例年より多く大半が手術室に搬入されています。日により四頭、五頭という日も有ります。

死廃関係では昨年とほぼ同じペースで推移してます。

トンネル換気、大型扇風機等で暑さ対策が講じられていますが、やはりこの夏の暑さにより乳房炎、特に大腸菌による廃用、更に熱射病、夏バテによる廃用が目立ちました。

病傷関係は昨年度と大差は見られませんがやはり乳房炎関係が多い傾向でした。

しかも原因菌の大半が大腸菌で、この夏の蒸し暑い時期に集中しているのが特徴です。

春以来、口蹄疫、BVD、サルモネラ、雪印の黄色ブドウ球菌による食中毒事件と、伝染病関係の話題の多い年でしたが、とりあえず前期を振り返って東部診療所の近況報告とします。

 

 

犬の放し飼いは止めて?

 

犬の放し飼いが流産の原因?

牛のネオスポラ症は1989年米国ではじめて報告されたネオスポラ原虫の感染によって起こる牛の異常産(特に流産)です。

   
 
   
 
 

流産が主ですが、死産、ミイラ胎児の娩出及び新生子牛の神経症状も見られます。

流産、死産は散発ないし単発的に発生します。

流産は4~6か月に多く、流産した母牛は臨床上何ら異常は見とめられませんが、反復して流産することもあります。

胎児にネオスポラが感染しても、必ずしも流産が起こるわけでも有りません。

牛の流産の8~31%が本性に感染しているという報告もあります。

1989年7月には「ネオスポラの終宿主は犬である」ことが明らかとなりました。

   
 
 

下図のように牛の餌にネオスポラに感染した犬の便が有れば、牛がそれを食べることにより感染します。また感染した牛の、胎児、胎盤を犬が食べることにより犬が感染します。それにより他の牛にまた感染が広がります。

犬に胎盤をたべさせてませんか?

   
 
 

①犬の便による飼料汚染を防ぐ。

②流産胎児、胎盤を速やかに処分して犬に食べさせない。

③流死産した母牛やネオスポラ抗体陽性牛は優先的に淘汰する。

そして最後にこう言う病気が判った以上犬は出来るだけ繋留してください。

例年より流産が多すぎると思ったら獣医師に相談してください。

   
 

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