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2008/04/13

なぜ発情がこないのか?

なぜ発情がこないのか?

紋別事業所 西 村 恭 一 獣医師
 

分娩間隔が延長することは大きな問題です。乾乳期が延長すれば、牛は太りすぎてしまい分娩後にケトーシス、第4胃変位などの病気を引き起こし、経済的に大きな損失をもたらします。無発情牛は年々増加し、分娩間隔は延長、初回受胎率は低下する傾向にあります。(図1)

無発情を引き起こすのは、卵巣静止、微弱発情、卵巣嚢腫などがありますが、エネルギーバランスの低下とストレスがその主な原因であるといわれています。

   
 
   
 

乳牛が食べた栄養は、まず体の維持に使われ、余った栄養で泌乳し、次に体脂肪として蓄積され、最後に余ったエネルギーが繁殖に使われます。(図2)つまり食欲のない牛、痩せすぎている牛、高泌乳牛は発情に使えるエネルギーが少ないことになります。

分娩後10日前後で最初の排卵は既に起っているといわれ、その後発情が起るたびに、発情は明瞭になり受胎率が良くなることも知られています。つまり分娩後エネルギー不足になり卵巣の回復が遅れると、60日ぐらいで授精したくても発情を見つけることができなかったり、十分な受胎率が得られないということになります。(図3)

   
 
     
 

また「分娩後1ヶ月頃は発情がくるが、次のまわり、(60日~80日頃)には発情がみられなくなる」ということがありませんか?これもエネルギーバランスの低下で説明することができます。卵巣の中には原始卵胞というものがあり、それが徐々に大きくなり、排卵できる卵胞になります。ところが原始卵胞が排卵できる大きさの卵胞になるには60~80日かかるといわれています。つまり分娩後に食欲が落ちたり、エネルギーが不足すると原始卵胞に影響を与えその後の卵胞の発育が十分に行われません。逆に分娩後30日ぐらいに排卵する卵胞は原始卵胞がエネルギー不足になりにくい乾乳前期に発育を開始するので、それほど大きな影響は受けないため比較的発情をみせやすいのです。(図4)

エネルギー不足は乾物摂取量不足が原因です。粗飼料を十分あたえることが大切です。配合飼料の多給、急激な増量は第1胃内の環境を悪化させ、喰い止まりや蹄病の原因になります。良質な乾草、サイレージを十分にいつでも食べられるようにし、足りない栄養を配合飼料などで補うようにしましょう。

   
 
   
 

ストレスも大きな問題です

ストレスによりホルモンバランスを崩し、卵胞嚢腫になりやすくなります。牛には様々なストレス要因があります。(高温、多湿、密飼、他の牛にいじめられる、泌乳、肢が痛い、エネルギー不足も立派なストレスです)特にフリーストール牛舎では足が痛いと餌を食べに行くことができません。さらにスタンディングを嫌がり、発情をみつけにくくさせます。また蹄病や乳房炎などの炎症部位ではPGが産生され、それが卵巣の黄体に悪影響を与え、妊娠を阻害する要因になり得ることも知られています(何回授精しても受胎しない)。(図5)牛がストレスを感じないように気をつけましょう。

   
 
   
 

十分な栄養を与え安楽な環境での管理を行い、ホルモン剤、PGを使わなくても無発情牛を減らせるよう心がけましょう。

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